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電波による観測により、地球を取り巻く宇宙空間のすべての方向から宇宙背景輻射という2.7K(絶対温度2.7°)の黒体輻射で説明できるマイクロ波が降り注いでいる。ビッグバンに始まる宇宙の膨張を考慮すると、このマイクロ波は宇宙誕生からまだ時間が短く宇宙が高温(3000K)であったとき、宇宙はほとんど均質であったことを示している。また、3000Kの光子の持つエネルギは2.7Kの光子の持つエネルギーの1000倍であり、波長で考えれば2.7Kの光子の波長は3000Kの光子の波長の1000倍に伸びていることを意味している。これは宇宙が1000倍に拡大したということである。
一方、現在の宇宙には、銀河あるいは銀河団といった大きな構造が存在する。このような構造は、宇宙誕生後間もない時期にあった小さな密度の乱れが成長したものであると考えられている。
この密度の乱れは温度の「ゆらぎ」として観測される。この「ゆらぎ」を最初の観測したのはCOBE衛星で、1992年のことであった。しかし、このときは観測の精度が低く、ピンボケ写真といった状態であった。WMAP衛星の精密測定により、10万分の1度の「ゆらぎ」が観測された。
誕生直後の宇宙は電子と陽子が電離したプラズマ状態にあり、光も自由に進むことができなかった。この宇宙が膨張によって冷えて3000Kになったとき、電子は陽子に捕らえられて電気的に中性の水素原子になり、光は宇宙空間を直進できるようになった。これを宇宙の「晴れ上がり」と呼ぶが、WMAPが観測したのは、晴れ上がりの時点に存在した、わずかな温度のゆらぎ(密度のゆらぎにもなる)だと解釈されている。現在広く受け入れられている「インフレーション・ビッグバン モデル」に従えば、宇宙の晴れ上がりは、宇宙誕生の38万年あとに起きたと考えられている。
宇宙理論によれば、宇宙を記述するには4つのパラメタが必要だという。
(1)ハッブル定数
の4つである。WMAPの「ゆらぎ」の観測でこれらの値が精度よく求められた。ハッブル定数は 72+/- 5 (km /sec/Mpc) で 宇宙年齢は134 +/- 3 億年になる。これに、他の情報を加えた結果が137 +/- 2 億年なのだという。
(2)密度パラメータ
(3)宇宙項
(4)曲率
他のパラメータからは、宇宙に存在する全物質の内、私達が知っている普通の「物質」は4 %、観測されない「暗黒物質(ダークマター)」が23 %であることがわかったが、残りの73 %はよく分らないエネルギーで「ダークエネルギー」と呼ばれる。また、宇宙が平坦であることも分かった。
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