隕石

隕石の写真は国立極地研究所(National Institute of Polar Research)の写真集からとりました。
Photographic Catalog of the Selected Antarctic Meteorites (1981, 1987)


隕石の分類

このほかに、落下隕石(Falls:落下が目撃され、隕石が回収されたもの)と発見隕石(Finds:地上に落ちているのが回収されたもの)という分類もある。

隕鉄石鉄隕石エコンドライトは金属の中心核まで形成した小惑星が衝突によって破壊された、その断片と考えられている。つまり隕鉄は中心核、石鉄隕石は中心核とマントルの境界層、エコンドライトは石質のマントルあるいは地殻に由来すると考えられる。これらの隕石は化学的に分化した母天体に由来するので、分化隕石と呼ばれる。

隕鉄:磨いた表面にはウッドマン=シュテーテンの模様が現れる。隕鉄を形作る鉄とニッケルの合金は高温では完全に解け合って一つの相になっているが、温度が下がってくるとニッケルの多い相と少ない相に分離し、その結果このような模様が生まれる。ウッドマン=シュテーテンの模様の研究から隕鉄の母天体の中心核の温度降下の情報を得ることが出来る。

石鉄隕石:写真の Yamato-74044 は隕石母天体の中心核に由来すると考えられるパラサイトである。5mm から 1cm ほどのかんらん石を鉄・ニッケルを主体とした金属相が囲んでいる。
 メソシデライトの鉄を取り除いた部分は、次に説明するエコンドライト(ユークライト、ホワルダイト、ダイオジェナイト)と同じものであり、天体衝突の際に混じりあったものと考えられる。

エコンドライト:「エ」は否定の接頭詞せあるから「コンドライトでない」という意味。コンドリュールを含まない石質隕石。中心核、マントル、地殻に分化した半径300 km 程度の隕石母天体の破壊によって出来たと考えられ、マントル物質に由来するものをダイオジェナイト、地殻に由来するものをユークライトと呼ぶ。また、天体衝突の際この2つが混じりあった角礫岩様のものをホワルダイトと呼ぶ。なお、隕鉄は中心核、石鉄隕石は中心核と石質部分の混合物と考えられる。
写真 上:ダイオジェナイト
写真 左:ユークライト
写真 右:ホワルダイト

 ユレイライトと呼ばれるエコンドライトは炭素を含み、その一部がミクロンサイズのダイアモンドになっている。ユレイライトの母天体は他のエコンドライトの母天体とは異なると考えられる。
 隕石が火星や月に衝突した結果、火星の石や月の石がはねとばされて地球に落ちてきたと考えられている火星隕石(SNC)月隕石もエコンドライトに含まれる。写真のALH-77005は南極で見つかった火星隕石である。

コンドライト:原始太陽系の化石ともいわれる。特に炭素質コンドライトはかなりの量の水を含んでおり、作られた後熱せられた形跡がないので、太陽系のもっとも古い情報を持っていることが期待される。実際、アイェンデ隕石の中には高温の太陽系星雲からもっとも初期に析出したと考えられるアルミニウムとカルシウムに富んだ鉱物が発見されている。また、コンドライト中の微小な炭素物質が、現在の太陽の一世代前の星が赤色巨星になった頃、あるいは超新星爆発をしたとき作られた元素を保持していることも明らかになってきた。

コンドライトの分類

左図はG.C.Brown & A.E.Mussett (1993) The Inaccessible Earth (2st ed.) Chapman & Hall. p.65 を書き直しました。
(オリジナルはH.Y.McSween (1987) Meteorites and their parent planets Cambridge University Press)
右図はG.C.Brown & A.E.Mussett (1981) The Inaccessible Earth (1st ed.) Unwin Hyman Ltd. p.61 を書き直しました。
(オリジナルはJ.F.Kerridge (1977) Iron: Whence it came, where it went, Space sci. rev. 20, 3-68)


隕石の写真と説明のサイト


 隕石に関する手頃な読み物としては
  F.ハイデ、F.ヴィロツキ 著  野上長俊 訳:隕石 -宇宙からのタイムカプセル- (シュプリンガー東京)
  武田 弘 著: 失われた原始惑星 (中公新書)
 などがある。


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