海上で観測される地磁気異常の縞模様
プロトン磁力計という、磁気測定器の開発により、海上での地磁気観測が容易になり、1950年代から海上の地磁気の観測が精力的に続けられました。
海上で地磁気の強さをはかると、計算によってその地点に期待される磁気の強さより強いところと弱いところがあることが分かりました。しかも、弱いところ、強いところは直線的に繋がっていることが分かってきました。予想より強いところを黒く塗り、弱いところを白く塗ると、縞状の模様があらわれました。この模様を、海上地磁気異常の縞模様と呼びます。アイスランド付近やバンクーバー沖の観測で、この縞模様は海嶺に平行で、海嶺の真上で一番強く、海嶺の左右にほぼ左右対称に広がっていることが分かりました。
なぜこのような模様になるのかを説明したのは、スクリプス海洋研究所のVineとMatthewsの2人です。2人は次のように説明しました。
- 海嶺の中央の谷にはマントルから次々と新しい溶岩がのぼってきて新しい海洋地殻を作る。
- 新しくできた地殻は古い地殻を左右に押しやるので海底は広がる。
- 溶岩は冷える時、その時その場所の地球磁場方向の残留磁気を獲得する。
- 地球磁場は地質時代を通じて逆転をくり返しているので、昔のある時期には今と逆方向の磁場を持った時代があった。
- その当時噴出した溶岩によって作られた海洋地殻は今は海嶺の中央軸からは離れた場所にあり、現在の磁場方向とは逆の残留磁化を持っている。
このように考えた2人は、陸上の溶岩の研究から分かっていた地磁気の逆転の歴史から期待される海上地磁気異常の大きさを計算し、その結果が観測と良くあうことを示しました。このモデルはテープレコーダーモデルという名前で広く知られています。
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