
気候変動の影響で表面海水の温度が変動し、この変動は地球化学的には酸素同位体比(δ18O)の変動として記録される。逆に浮遊性プランクトンなどの殻に含まれる酸素同位体を調べればそのプランクトンが生きていた当時の表面海水の温度を推定できる。表面海水温度の変動は浮遊性プランクトンの種類に影響を与え、生物生産性を変動させる。生物生産性は堆積物中の炭酸石灰の量に影響を与え、堆積物中の陸源性砕屑粒子の割合を変動させることにもなる。このために堆積物中の磁性粒子の割合が変化し帯磁率が変化したり、堆積物の色が変わったりする。
この図は、気候変動の影響をもっとも直接的に表していると考えられる酸素同位体比の変動(表面海水温度の変動)とC. Davisianaというプランクトンの量の変動、また生物生産性の指標である堆積物中の炭酸石灰の量の変動がよい相関を持っていることを示している。

生物生産性があまり高まると海底付近では生物の遺骸を分解するのに十分な酸素が確保できなくなる。その結果生物の遺骸は分解されることなく、有機物のまま堆積物中に溜まることとなる。このようにして出来た「腐泥(saplopel)」を含む層は有機物を含むために黒っぽい色をしている。この「腐泥」の量の変動は酸素同位体の変動とよい相関を示すので、北半球の夏期日射量の変動ともよい相関を持つはずである。北半球の夏期日射量は天体地球の運動(離心率、歳差、地軸の傾き)と結び付けられるので、計算で得られたこれらのパラメータの変動曲線と結び付けることにより、堆積年代を推定することが出来る。

地層の色にもミランコヴィッチ・サイクルがあらわれる。約40万年周期の離心率の変動が重なっていることが分かる。
Astromonical theory of paleoclimates