熱史研究の例
−−− チリ南部パタゴニアの花崗閃緑岩体の熱史 −−−
The Miocene plutonic event of the Patagonian Batholith at 44 deg 30 min S:
thermochronological and geobarometric evidence for melting of rapidly exhumed lower crust
by
M. A. Parada, A. Lahsen and C. Palacios
上に示した論文の中で熱史に関係する部分のみを簡略化して紹介する。
年代測定法
試料
年代 (Ma)
岩体の温度(℃)
岩体の深さ(km)
Rb-Sr
全岩
17
ca.700
Ar-Ar
角閃石
15.6
ca.500
約 22
Ar-Ar
黒雲母
9.8
ca.300
約 10
Fission Track
リン灰石
2.5
ca.100
約 4
岩体の温度はそれぞれの鉱物が年代測定法に対して持つ固有の閉鎖温度をあてている。
岩体の深さはその温度になる深さを地殻温度勾配を見積もることなどで推定している。
この例では、
岩体は1600万年ほど前に作られ、500℃くらいまでは急速に冷やされた。岩体は20kmより少し深いのところで作られた。
岩体は1000万年ほど前に深さ10km程度まで上昇した。この間に地表付近では激しい浸食が行われ、上昇して来た岩体の大部分は失われた。
岩体は200万年ほど前に深さ4kmくらいにまで達し、100℃程度あるいはそれ以下にまで冷却された。
ということがわかる。
「年代学いろいろ」に戻る